数式処理システムの開発と応用
甲斐 博

設計や解析を行うには一般に数値計算を使います。例えば制御システムの設計を考えます。より安定なシステムを作るためにシステム内のパラメータを適切に決定する必要があります。このとき実際にはパラメータをいろいろ変えてみて数値計算を繰り返す必要があります。このような試行錯誤を行う代わりに、パラメータを記号として扱い、記号のまま計算できれば、答えが見つかりやすくなります。どうやったら効率的で正確な計算ができるのかのアルゴリズムの開発や、数式入力ユーザインターフェース、工学利用を目的とした数式処理システムの応用について研究しています。応用例としては、例えば、暗号プロトコルがあげられます。数式処理システムは長い桁の数字も正確に扱うことができるので、プロトコルの設計・試作・検証に向いています。特に個人情報を漏らさないためのグループ署名・匿名認証の研究を行っています。


[ キーワード ]   数式処理