深層学習に基づく自然言語処理の研究
梶原 智之

 人工知能とは、人間のように知的に振る舞う機械の実現を目指す学問領域のことです。人間のクイズ王に勝利する質問応答システムやプロ棋士に勝利する囲碁のゲームAIなどの活躍により、人工知能の技術への期待が高まっています。特に、言葉に関する人工知能の技術を自然言語処理と呼びます。情報社会を生きる皆さんは、仮名漢字変換や情報検索などの自然言語処理の技術に日々触れていることだと思います。

 我々の研究室では、機械翻訳・対話システム・文法誤り訂正・スタイル変換など、様々な自然言語処理の応用を、深層学習の技術に基づき研究しています。データを集めることが難しい領域への自然言語処理の適用や、医療応用における自動診断のような高度な推論など、挑戦的な課題にも取り組んでいます。

 狩猟社会・農耕社会・工業社会・情報社会に続く未来社会(Society 5.0)では、人工知能の技術を用いたビッグデータ解析により、人間が煩雑な作業から解放されると期待されています。このような未来社会の実現に向けて、AIエンジニアやデータサイエンティストの人材の需要が近年急速に高まっています。本研究室では、人工知能の基盤技術である深層学習と、人工知能の主要な応用のひとつである自然言語処理について、高い専門性を身につけることを目指して教育を行っています。

[ キーワード ]   知能情報学   自然言語処理   深層学習