画像処理およびニューラルネットワークの研究とその応用
一色 正晴

近年、カメラや計算機性能の向上により、カメラで撮影した動画像を入力として、様々なシステムを自動化することができるようになってきています。例えば、トマトなどの果実の品質(等級)の判定を、従来は農家の方が目で見て判定していましたが、カメラで果実を撮影し、その色や形状から計算機が自動的に等級を判定して、分類するシステムなどが開発されています。

このようなシステムの自動化を行うためには、「特徴抽出法」と「分類法」の2つが大事になります。「特徴抽出法」は、カメラからの入力(動画像)の中から、果実の等級を判定するのに適した特徴(輪郭線、色、キズなど)を抽出する方法です。「分類法」は、分類したい果実から抽出した特徴を入力として、正しい等級を出力できるように学習等を行うための方法です。「特徴抽出法」でうまく果実を分類するための特徴が抽出できなければ、どんなに「分類法」が優れていても分類に失敗してしまいますし、逆に、優れた「特徴抽出法」があっても、「分類法」の性能が低ければ、分類に失敗する可能性が高くなります。

我々は、この「特徴抽出法」の部分に様々な画像処理技術を、「分類法」の部分に人間の脳の特性をモデルとしたニューラルネットワークを用いることで、果実の等級判定や、人間の動き(ジェスチャ)を認識して入力インタフェースとして用いるシステムなどの構築や認識精度向上を行うための手法について研究しています。


[ キーワード ]   知能情報学   知覚情報処理