深層学習を用いた自然言語処理の研究
二宮 崇

 英語や日本語などの自然言語で書かれたテキストをコンピュータ上で処理する技術は「自然言語処理」と呼ばれ、代表的な技術として機械翻訳や自動要約などがあります。近年、「深層学習」と呼ばれるニューラルネットワークの学習に関する研究が大きく進み、自然言語処理分野においても中核技術として大きく注目されています。特に機械翻訳では非常に高い翻訳精度を実現する深層学習技術が開発され、人間が行う翻訳に近い非常に質の高い翻訳が実現されています。また、深層学習では画像やテキストなど様々なメディアを同時に扱うことが比較的容易に出来るため、キャプション生成(画像の説明文生成)や、マルチモーダル機械翻訳(画像を参照しながら行う機械翻訳)、文章からの画像生成(文章が表現する画像の生成)など、新しい領域の研究が進められ、急成長をしています。

 私は、深層学習を用いた自然言語処理の研究(機械翻訳、化合物名解析、自動要約、文法誤り訂正等)を行っています。文の構造を解析する構文解析や、画像と記号表現(文章や単語)の関係を学習するシンボルグラウンディングに興味を持っていて、構文解析を用いた機械翻訳やマルチモーダル機械翻訳の研究を注力して行っています。それ以外にも、化学分野への応用として、化合物名解析や化合物名の同一性判定の研究も行っています。

 [ キーワード ]   マルチモーダル機械翻訳   構文解析   化合物名解析