ソフトウェア品質管理に関する研究
阿萬 裕久(電子情報工学専攻)

誰しも「コンピュータは速くて正確に働いてくれる」と思っているでしょう.でも果たしてそれは真実でしょうか?残念ながら答えはNoです.たしかに,コンピュータはプログラム(ソフトウェア)で指示された通りに高速にしかも正確に動作します.でも,そのプログラムは人間が考えて創ったものです.つまり,人間が間違いを犯してしまう可能性がある限り,プログラムには誤り(バグといいます)がつきものであり,結果的にコンピュータが誤動作する可能性もゼロではありません.

私の研究はプログラムをデータ分析の視点からチェックしようというものです.プログラムの健康診断や血液検査みたいなものと思ってもらえたらいいかと思います.プログラムがどのような構造をしていて,どのようにして作られたのかという情報を集め,数値化します.すると異常値を示すプログラムが見つかったり,過去にバグが潜んでいたプログラムと同じパターンのデータが見つかったりします.そうすることで未然に怪しいプログラムを抽出するための数理モデルや機械学習モデルを作り出すことができます.最近では,人間がバグを作り出しがちなプログラムの特徴やその自動的な評価・改善方法について研究しています.

研究室 URL:http://se.cite.ehime-u.ac.jp/

 [ キーワード ]   ソフトウェア    統計科学