画像処理・理解および深層学習と産業応用に関する研究
木下 浩二

私たちは,画像に何が写っているかをいとも簡単に言い当てたり,映像に写る人物を追いかけたり,その行動を無意識に理解したりすることができます.このような画像認識の技術は,知能ロボットの視覚を実現するために1960年頃から研究が始まり,およそ50年の時を経て,ようやく人間の目に近づきつつあります.

私の研究室では,色や模様の特徴を用いた物体追跡の研究,動きの特徴を用いた映像解析の研究,深層学習の技術を利用した画像識別の研究を行っています.

物体追跡の研究では,多数の追跡候補の生成と消滅を繰返しながらターゲットを追跡するパーティクルフィルタの研究や,類似色が近接する場合でも追跡可能なように新たな特徴量を考慮したMean-Shift追跡の研究を行っています.

動きの特徴の用いた映像解析の研究では,明るさの空間的および時間的な変化から算出される動きに関する特徴量である「オプティカルフロー」を用いて,幹細胞の品質評価やドライバーの危険動作の検出に応用する研究を行っています.

深層学習の技術を利用した画像識別の研究では,人間の視覚の仕組みをモデル化した「畳み込みニューラルネットワーク」を利用した紙幣のシリアルナンバーの検出・識別や柑橘系植物の害虫検出を行っています.


[ キーワード ]   画像処理  物体追跡  オプティカルフロー  深層学習